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【2026/06/16 12:19 】 |
龍馬の手紙 (講談社学術文庫) | 龍馬その人が滲み出 る自由闊達、天衣無縫な手紙文
文は人なりを地でゆく窮屈さのない自由闊達、天衣無縫な手紙文を書き残したのが坂本龍馬だ。時折、テレビの歴史番組や鑑定団で坂本龍馬の手紙が紹介されることがあるが、自筆書簡の纏まった本があれば便利だと思っていたら、世の中に存在していた。その名もズバリ『龍馬の手紙』という文庫本が…。



表紙カバーの写真が実に善い。煙草盆を載せた縁台に腰掛ける人物は紛れもなく坂本龍馬だ。龍馬の写真と言えば上野彦馬の写真館で撮られた立ち姿が有名だが、少し他所行きの感じがする。それに比べればこちらは自然体で現代のスナップ写真に近い。表情は引き締まっているが、坐像の分くつろいだ明るい印象を受ける。



さて、本題は龍馬の「手紙」の方だ。江戸での剣術修業中に実見した黒船の様子を父親に伝えた手紙や、暗殺直前に海援隊士に宛てた手紙など計139通。その八割方には原文写真が付く。よくぞ今日まで手紙が残ったものと感心させられる。有名な「船中八策」や「新政府綱領八策」などの関連文書、詠草(和歌)、袱紗寄せ書なども所収している。



親族向けの私信が断然面白い。姉乙女宛の奇抜な文章(「此頃ハ天下無二の軍学者勝麟太郎という大先生に門人となり、ことの外かはいがられて候て、先ず客分のよふなものになり申し候。」や「日本を今一度せんたくいたし申し候事ニいたすべくとの神願ニて候。」)は有名だ。中でも「此龍女がおれバこそ、龍馬の命ハたすかりたり。」と伏見寺田屋の遭難に触れ、天の逆鉾の図解入りで霧島温泉への新婚旅行を報告する手紙は白眉だろう。



可愛い姪御に記した「私ももしも死ななんだらりや、四五年のうちにハかへるかも、露の命ハはかられず。先々御ぶじで、をくらしよ。」や、「此頃、外国のおしろいと申すもの御座候。近々の内、さしあげ申し候間、したたか御ぬり被レ成たく存じ候。御まちなさるべく候。」という表現に、龍馬その人の愛情の濃やかさが滲み出てるようだ。



龍馬の手紙 (講談社学術文庫)
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【2010/09/22 16:37 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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