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本書の内容は、日本にとっての第2次世界大戦が、アメリカの謂われなき対日憎悪・持てる国のブロック経済政策・コミンテルンの暗躍等に端を発する「自衛戦争」であったことを、満洲国の正当性や南京大虐殺の不審点等とともに証明する趣旨というところか。
とはいえ、当時の日本に対しても、ともに今日に至るまで重大な禍根を残した、体制上の欠陥や外交上の失策については、厳しい見方をしていることが窺える。 体制上の欠陥ということでは、明治憲法の構造的欠陥が「二重政府」という形で現われたことか。しかし「不磨の大典」とされたこと等からすれば、当の元老(特に山縣有朋であろう)が自らの存命中、存分に権勢を振るえることを意図したものとも解釈できよう。ともあれ、その結果満洲事変を起こし、右翼社会主義者の台頭と的外れな暴力を許した。それはファシズムとも波長が合い、国家総動員体制に至るものだった。 また外交上の失策ということでは、開戦時の不手際以前に、そもそも「皆の衆」政治を理解せず交渉相手を違えたことが誤りだった。 それにしても中国から共産勢力を排除すべく、蒋介石政権と手を組む選択肢はなかったものだろうか。満洲事変までは外交では模範的だったといっても、それは列強の間でのことで、半植民地状態から民族自決に目覚めた大陸中国には強硬を以て臨んだため、不倶戴天の関係を招いたのだ。結局は、両次大戦の背景となった帝国主義そのものが「近代合理的精神」の曲がり角だったともいえよう。 ともかく「自衛戦争」と認めればこそ、植民地解放も日本にそれを戦争目的とする余裕はなく、従って風が吹いて桶屋が儲けたような結果と判断せざるを得ない。 ただ本書の内容について間違いも指摘するなら、無差別爆撃は米英の発明ではなく、ゲルニカ空爆が嚆矢ということだ。また日本軍の計画的な中国人民虐殺も、小規模にせよ全くなかった訳ではない。その2点であろう。 昭和の大戦への道 渡部昇一「日本の歴史」6 昭和篇 PR |
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