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下巻は、紀元前四六一年にキモンを追放した登場したペリクレス時代からはじまる。ローマではなくアテネの話だ。それまで無給であった公職に対して、日給を支払うようにしたという。
ローマにおいて執政官制度がうまくいかなくなると独裁官の擁立が決定される。非常事態宣言時に擁立される半年期限の独裁官は、現代人からみるとあまりに突飛な感じがするが、戦時中に果たす役割は大きく、非常に機能したようである。 「十二表法」という不評な成文法を主導したアッピウス・クラウディウスが、その法のために恋する娘を拉致するという専横を働き逮捕される史実も興味深い。 元老院の基盤を支えた「クリエンテス」の存在も面白い。 紀元前三九〇年のケルト族によるローマ占拠と、その後のローマ人による「ゆっくりと着実にはいあがっていく」さまは、その後の長年のローマ帝国の繁栄を知る一つの鍵と言える。例えば、「リキニウス法」の成立による利益代表制度の解消などは、その好例だろう。 本著は、史実、制度解説、歴史家の解釈紹介、持論の展開などが入れ替わり立ち替わり登場するが、下巻では、元老院制度に対する著者の思いが強く語られているのも印象に残る。 トインビーのいう「政治建築の傑作」である「ローマ連合」などは、図が挿入されていて、それで一発でわかる。 ローマ人が最も重んじた価値は、名誉だという。そのため、敗軍の将は罰せられない。敗戦ということで、恥に苦悩するという罰を充分に受けたからである。 紀元前二七五年に地中海世界で最も高名な武将ピュロスを退け、ローマは一気に注目される。そして紀元前二七二年にターラントが陥落しイタリア半島の統一を完成するところで、物語は一旦終結する。 ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) 新潮文庫 PR |
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